税務お役立ち情報

太陽光発電事業に係る事業税の扱い

 

■『事業税』とは。

法人に対してだけではなく、個人に対しても課税されます。
都道府県より課税される地方税の一つで、事業に対する税金です。
そのため、事業の種類によって課税方法や税率が異なります。
太陽光発電事業はいくつかある区分の内の「電気供給業」として扱われています。

 

 

■個人の場合

1.課税標準額(所得金額基準)

事業所得と不動産所得の所得金額を課税標準として個人事業税を計算します。
雑所得の場合は課税されません。
ただし、青色申告特別控除額(最高65万円又は10万円の控除)は個人事業税の計算上適用がありません。
そのため、控除を受けている場合は所得金額に加算します。

そこから、「事業主控除」が最大290万円控除することができます。
申告する年の中で、事業を行った月数によって控除できる金額が変わりますのでご注意下さい。

そうして算出した個人事業税の課税所得金額に税率をかけることになります。

 

2.税率

事業の種類によって税率が異なるのですが、電気供給業は「第1種事業」に区分され、税率は5%です。

 

3.税額

課税標準額 × 税率(5%) = 税額

 

4.納税方法

納税方法は8月と11月の2回、都道府県から納税通知書が送られてきます。

 

個人の場合は一般的な事業種類と同じ取扱いとなっています。

 

 

■法人の場合

1.課税標準額(収入金額基準)

法人事業税の計算も原則的には「所得金額」を課税標準として法人事業税を計算します。

しかし「電気供給業」については太陽光発電の「収入金額」を課税標準として法人事業税を計算します。

このため、赤字であっても「収入金額×税率」で計算するため、法人事業税が発生してしまいます。
一般的な事業種類の法人であれば所得金額に対して課税されるため、赤字の場合は法人事業税が発生しません。

この「収入金額」とは、その事業年度の収入全てが対象とされ、収入から控除できるものが地方税法の中で限定的に挙げられています。
具体的には国や地方から受け取った補助金、固定資産の売却収入、保険金、受取利息、受取配当金等です。
消費税は除くこととされていますので、税抜金額での収入金額です。

他の事業も行っている法人の場合は、法人事業税の課税方式が異なるため、分けて集計する必要があり、少し大変な印象です。

 

例外として、他の主たる事業の収入金額と比較して、従たる事業の収入金額が一割程度以下の軽微な規模であれば、主たる事業のうちに含めて、主たる事業の課税方式により課税標準及び税額を算定することができます。
売電収入が九割以上であれば、自販機収入等の収入があっても収入金額基準で計算します。
逆に、不動産業等で売電収入が一割以下であれば主たる事業のうちに含めて計算することができます。

 

2.税率

平成26年10月1日以後に開始する事業年度については標準税額が0.9%(東京都、大阪府、愛知県)となっています。

さらに地方法人特別税も課税されます。
これは、法人事業税の税額に対して税率をかけて算出します。
平成26年10月1日以後に開始する事業年度については標準税額が43.2%(東京都、大阪府、愛知県)となっています。

0.9%と0.9%×43.2%で、実質1.2888%の税率となります。

※税率は都道府県によって異なる場合がありますので、必ずご確認下さい。

 

3.税額

課税標準額 × 税率(1.2888%) = 税額

 

4.納税方法

原則的には事業年度終了の日から2か月以内に、他の都道府県民税と一緒に納税することとなります。

ご注意いただきたいところは、収入金額課税とする法人の場合、中間申告義務が発生するところです。
前事業年度の税額の6か月換算した金額を納める方法が原則です。
もう一つは仮決算を行い中間申告を行うことも可能です。

平成26年10月1日以降開始の事業年度より上記の税率に改正されています。
平成26年9月30日以前に開始した事業年度については旧税率が適用されていますので、ご注意下さい。

<旧税率>
法人事業税:0.7% 地方法人特別税:81%
0.7%と0.7%×81%で、実質1.267%。

あくまでも前納なので、決算時に算定した税額から差し引くことができるのですが、知らないと突然納付書が届くので驚いてしまいます。

 

 

記 H27.7.1


・2015年7月9日 公開


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