遺言について良くある疑問
Q1、遺言を書いた後、書き直すことはできますか?
A 可能です。複数の遺言がある場合は、要件を満たしている最新の日付の遺言が有効となります。
公正証書遺言などは作成するたびに手数料がかかります。
Q2、預金を相続させる旨を記載した場合は、いつの時点の預金残高を記載するのですか?
A 通常、預金を相続させる場合は
○○銀行△△支店 普通預金 口座番号××××は長男へ遺贈する。
と記載するため残高を記載しない場合が一般的です。
なぜなら預金残高は増減するためです。
遺言を書いた時期の残高に関係なく相続開始時期の残高が長男に相続されます。
Q3、遺言を作成した後、その遺言に記載された預金を引き出しても問題ありませんか?
A 問題ありません。
全額預金を引出して口座を解約しても問題ありません。
遺言に記載された財産がない場合は、その部分のみが無効になるだけでその他の財産については無効になりません。
Q4、定期預金3000万円の内、2000万円を長男へ1000万円を妻へという遺言は可能ですか?
A 可能ですが、将来、定期預金の一部を解約して残高不足の場合は当初の思い通りに財産を渡せません。
そのため定期預金の2/3は長男へ、1/3は妻へという割合で指定する方法もあります。
Q5、上場株式や自社株式などについても上記と同じ考え方ですか?
A はい。株式なども売買されるため保有株数が増減します。
また株価の時価は変動するものです。
相続開始時に保有する株数を相続することになります。
非上場株式の場合は以下のように記載します。
例)
株式会社△△△ 普通株式 全てを長男へ遺贈する。
Q6、全ての財産について分配を決める必要がありますか?
A いいえ。自宅の土地だけ又は定期預金のみを特定の人物に相続させる旨を記載した遺言も有効です。
現時点で決まっている財産について記載し、後日別の財産について記載した遺言を作成することも可能です。
財産価値は時間の経過とともに変動していきます。
遺留分に配慮した遺言を書いたつもりでも財産価値が目減りして遺留分に満たなくなり『家族で争う』争族に発展することもあります。
遺言を『罪深き呪いの書』にしないためにも専門家と相談しながら遺言を作成することをお勧めします。
・2016年2月19日 公開