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広大地評価について(改正前)

広大地の評価とありますが、あくまで財産評価であり相続や贈与の世界の話です。
土地の評価の中で、広大地に該当すると評価がさがるのです。
この規定の適用は、戸建て住宅の販売を前提とした土地の話で、マンション敷地の対象となる土地はそもそも対象外です。

 

戸建て住宅の販売を行う場合、例えば一般的なサラリーマンに住宅を販売する事を考えた場合、1,000㎡の土地に1個の住宅を建てて販売しても、単価が高すぎて購入できません。

そのような住宅は特定の人にしか販売できません。サラリーマンに住宅を購入してもらうためには、土地を切り売りしてそこに住宅を建てて販売価額をさげなければなりません。

その様な戸建て住宅販売の対象となる広い土地については、不動産業者が土地を仕入れて、開発道路と言われる道路をその土地内に作ったり、広告宣伝費や人件費などの販売コストを掛けなければなりません。

以上から広い土地に住宅を建てる場合、必然的に多額の費用が掛かります。この費用に当たる部分を考慮して土地の評価を減少させる規定です。

 

但し広ければ全ての土地が広大地に該当し評価減を受けることができるのでは無く、一定の条件に該当する土地についてのみ、広大地に該当します。

広大地に該当すると最大65%土地の評価が減少します。

 

(一定の条件)

①大規模工場用地に該当しない。

②マンション適地に該当しない。

③その地域における標準的な宅地の面積に比して著しく面積が広大。

④開発行為を行うとした場合、公共公益的施設用地の負担が必要。

 

しかし上記の規定は、適用要件が不明確な部分が多々有り、その解釈を巡って、国税不服審判所や裁判所で争われた事例が数多く存在します。
また取引価格と大きく乖離し、富裕層の節税策として利用されている事もあった為、今回平成29年度の税制改正で広大地の規定が改正されました。

*上記の規定は平成29年12月31日までの相続・贈与に該当するものです。

 

地積規模の大きな宅地の評価について

今まで広大地の評価と呼んでいたものは、改正により「地積規模の大きな宅地の評価」と言う呼び名にかわり、平成30年1月1日以降の相続・贈与について一定の条件は下記に記載する規定に変更になりました。

 

(一定の条件)

①対象となる宅地の地積が三大都市圏においては500㎡以上、三大都市圏以外においては1,000㎡以上。

三大都市圏とは国税庁のホームページに記載されていますが、わかりやすく言いますと、首都圏・近畿圏・中部圏の事です。

 

②普通商業・併用住宅地区及び普通住宅地区に限る。路線価方式により評価する地域については、国税局長が次に掲げる地区を定めています。
(1) ビル街地区

(2) 高度商業地区

(3) 繁華街地区

(4) 普通商業・併用住宅地区

(5) 普通住宅地区

(6) 中小工場地区

(7) 大工場地区

 

改正前については(7)大工場地区や都市計画法で定める用途地域が工業専用地域以外は対象となっていましたが、改正によって地区区分が明確にされました。

 

③市街化調整区域は原則として適用できない。

簡単に言いますと市街化区域と市街化調整区域があって、市街化区域は都市化を進める地域で、市街化調整区域は都市化を抑制する地域です。
市街化調整区域は原則として建物の建築ができませんので戸建て住宅の販売を目的とした広大地の適用はできません。
但し、都市計画法の規定で開発行為を許可することができる地域は除かれています。

 

④指定容積率が400%(東京都特別区においては300%)未満の地域に限る。

容積率とは建物の延べ床面積のその敷地に対する割合のことで

例えば容積率200%とは敷地100㎡の土地に200㎡の建物を建築した場合のことで、指定容積率とはその上限が定められている事です。

 

上記の規定に該当すると広大地の評価減の適用ができます。

 

具体的な計算

では具体的に広大地の評価減の計算をしてみます。

 

【例】

正面路線価が100,000円、土地の間口50m、奥行き40m、整形地で面積が2,000㎡、指定容積率は300%で大阪の普通住宅地区にあったとします。

 

(改正前)
広大地の価額=広大地の面する路線の路線価×広大地補正率(*)×地積

(*)広大地補正率=0.6-0.05×広大地の地積/1,000㎡

土地の評価

①広大地の適用が無い場合
100,000円×0.92×2,000㎡=184,000,000円

 

②広大地の適用がある場合
100,000円×0.5×2,000㎡=100,000,000円

改正前の適用では広大地に該当すると、土地の評価は半分近くになりました。

 

(改正後)

土地の評価額=路線価×奥行価格補正率×不整形地補正率などの各種画地補正率×規模格差補正率×地積

となり、

 

100,000円×0.92奥行価格補正率=92,000円

92,000円×0.75規模格差補正率=69,000円

69,000円×2,000㎡=138,000,000円

 

改正後は改正前代比べ、38,000,000円土地の評価額が増加する事になります。

 

以上広大地の評価は専門家にご相談下さい。


・2018年2月19日 公開


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