税務お役立ち情報

タワーマンション以外の不動産節税

 

日本にいる居住者が、海外の不動産で家賃収入があると、日本の税法での所得税の申告が必要になります。

 

不動産所得の主な必要経費の一つに建物の減価償却費があります。

海外不動産投資の節税には、この減価償却費が大きな要素になります。

アメリカやイギリスの住宅市場は中古物件が主流で、中古物件の価格が下がりにくく安定しています。

すでに日本の税務上の耐用年数を過ぎた物件を相当の金額で購入すれば、初年度から多額の減価償却費を計上できます。すると海外不動産所得が赤字になります、その赤字と日本での他の所得と相殺して税金を安くします。

 

<事例> 築22年の木造コンドミニアムを2千万円(建物価格)で購入した場合

すでに日本の税制での耐用年数に達していますので、この場合の中古建物の耐用年数は4年になります。

初年度に計上できる減価償却費 500万円

家賃収入が年間100万円としたら、減価償却費だけで400万円の赤字になります。その他の経費もあるので、赤字はもっと多くなります。そしてこの損失を他の所得と相殺して所得税を安くします。

 

税務上は多額に償却して税務上の建物価格は下がりますが、海外の中古住宅は価格が安定していますので、実際の販売価格はあまり下がりません。実際の資産価値は下がらないのに税務上の価値だけを下げていく手法です。

 

税務上の価値と実際の価値の差額を使う方法は、タワーマンションの節税と共通する点ですね。税法上の価値と実際の価値が大きく乖離した時に、税金のマジックが生まれることが多いようです。

 

この海外中古不動産の件も会計検査院が問題にしていましたので、タワーマンションと同様に改正案に盛り込まれるかもしれませんね。

 

この12月に発表される来年度の税制改正大綱で、明らかになってくると思います。

タワーマンションの相続税節税とは

 

もう、ご存じの方も多いと思いますが、ちょっとおさらいしておきましょう。

タワーマンションの節税は、相続税評価額と実際の価格の差が大きくなることを利用します。

 

 

===マンションの相続税評価額===

<土地・・・路線価×専有持分>

マンション1棟の敷地面積を各持分で按分しますので、部屋の面積が同じなら高層階も、低層階も同じ評価額になります。また1区画の敷地の上に多くの戸数ができますので、1区画1個の建物の建つ戸建よりも評価面積も小さくなります。

 

<建物・・・固定資産税評価額>
建物はさらにわかりやすく、固定資産税評価額がそのまま相続税評価額になります。相続税においても1㎡あたりの評価額は高層階も低層階も同じになります。

 

 

○ タワーマンション節税のポイント

(1) タワーマンションの高層階は預貯金より相続税での評価が下がるのに、換金性が高い
人気物件であることが多く、賃貸でも売買でも流動性が高い

 

(2) 土地の評価対象面積が少ないので相続税評価額も小さくなる敷地面積に対して総戸数が多いため

 

(3) 高層階でも、低層階と同じ評価額になる。
一棟全体で価格が決まり、各部屋は、単純に持分面積で按分されるため

 

このように、タワーマンションの高層階の部屋は、実際の価値と相続税評価額の差異が大きくなります。この差異を利用した節税方法が問題になっていました。

 

 

<事例> 40階建てマンションの販売価格が下記のタワーマンションがあるとします

・最上階A室 1億2千万円 ・21階B室9000万 ・1階C室5000万 間取りは全て同じです。

1室あたりの相続税評価額は、約4千万円ほどになるかと思います。現行法では3室とも同額の4000万円になります。

Aさんの場合
財産・・預金2億円   相続人・・奥さんなし、子供3人

① Aさんが財産を預金でそのまま持っていた場合
相続税評価額  預金 2億円

相続税額   2,460万円になります。

② Aさんが、最上階A室を1億2千万円で購入した場合
相続税評価額  預金 8千万円  マンション 4千万

相続税は、    930万円になります。

税金の差額は 1,500万円にもなりました。

 

もし貸家にしたり、小規模宅地の適用を受けることができれば、さらに評価額は下がります。

しかも、相続税での評価額が下がっただけで、実際の価格は、あまり下がりませんので、相続した後にマンションを売却すれば、②の場合も2億円近く相続したことになります。それなのに相続税には大きな差がでます。

 

この節税方法が、租税回避行為として否認された事例がありますが、それは、あまりにも短期間で購入、相続、売却をした特殊なケースでしたので、一応、まだ、このスキームは利用されています。

 

今回の改正で、高層階の評価額が、実際の価格に近づくように改正されるため、上記の節税方法に一定の規制がかかるでしょう。

改正の適用年によっては、かけこみ需要があるかもしれません。

タワーマンション問題と固定資産税

 

マンションの高層階と低層階では、新築販売時の価格は高層階の部屋の方が高額だし中古でも高層階の方が高く売れますよね。

でも、固定資産税は高層階も低層階も同額です。単純に広さ(持分面積)で計算されるだけです。

つまり税金の計算では、高層階も低層階も同じ価値として評価されていました。

どうしてこんなことがおこるのでしょうか?

 

 

固定資産税は、その年の1月1日の所有者に課税される地方税です。

基本的には固定資産税評価額に標準税率1.4%をかけた金額です。それに各種軽減税率適用等があります。

土地の固定資産税評価額は、毎年、国が発表している公示地価の7割を目安に決められています。

建物の固定資産税評価額は、建築価格から時価を算定して決められています。

現行、マンションなどの集合住宅の固定資産税は、まずはマンション一棟全体で、その敷地と建物の固定資産税を算出します。

そして、各所有者は、マンション一棟全体の課税金額を、自部屋の専有持分で按分された金額を課税されます。

つまり、40階の部屋も1階の部屋も1㎡あたりの税額は同じです。

南向き、北向きとかは一切考慮されません。ただ面積だけの按分です。

税金は、その価値で決定されるべきなのに、これでは、不公平ですよね。

 

 

そこで今回、この不公平を是正するために、国は改正に向けて検討していることが発表されました。

20階建て以上のマンションを対象に、固定資産税を中層階はいままでどおり、高層階を高くして、低層階を安くする方向で検討されているようです。

マンション全体の税額は変更しないようです。

自動車の付属品は同時購入が得?後から購入が得?

= カーナビは標準装備 or 後付けどちらがお得?=

購入時に標準装備した場合と後付けで購入した場合のそれぞれの税務上の取扱いを説明いたします。

 

●購入時に標準装備した場合

カーナビやアルミホイール等の付属品を自動車の購入時に標準装備した場合には、自動車とは別の資産とは考えず、取得価額に含めて資産計上をすることになります。自動車の耐用年数で償却されることになり、その期間(例えば新車の乗用車であれば6年)に渡り取得費は配分されて経費処理されます。

 

●後付けで購入した場合

カーナビやアルミホイール等の付属品を後付けで購入した場合には、自動車とは別に新たな資産を取得したものとして取扱います。そのため付属品の取得価額が30万円未満の場合には、その全額を事業の用に供した事業年度において経費処理することができます。

また、自動車の取得価額に含まれないということは、自動車取得税の金額も下がることになります。
(自動車取得税は消費税の税率が10%へ引き上げられる時点で改正になる予定です。)

 

 

=結果は・・・=

付属品部分の金額を早期に経費処理をすることができ、自動車取得税の節税にもなるため後付けで購入した方が税務上は有利となります。

 

●中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

原則的には10万円以上の資産については資産計上を行わなければなりませんが、30万円未満の場合には、事業の用に供した事業年度において全額を経費処理することができると書きました。ご存知の方も多いかとは思いますが、何気なく制度を利用をされている方もいらっしゃるのではないかと思いますので、その30万円未満とはどういった制度であるかを以下でもう少し詳しくご紹介いたします。

 

青色申告をしている中小企業者等が、平成18年4月1日から平成30年3月31日までの間に取得価額が30万円未満である減価償却資産を取得等して事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額を経費にすることができます。

 

適用の対象となる減価償却資産は次のものになります。
1、建物 2、建物附属設備 3、構築物 4、機械及び装置 5、船舶6、航空機 7、車両運搬具 8、工具・器具及び備品9、特許権等の無形減価償却資産 10、生物

これらの資産は中古で取得したものであっても対象となります。

 

適用要件として確定申告書等に「少額減価償却資産の取得価額に関する明細書」を添付して申告することが必要です。

 

30万円未満であるかの判定については税抜経理であれば税抜価額、税込経理であれば税込価額で行いますので、税抜処理している方が有利になります。なお、年間合計で300万円がこの制度適用の上限とされています。

 

この制度は国税に関するものであり地方税である償却資産税には適用されませんので、償却資産税の申告に注意が必要です。

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